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冬季うつ予防と健康維持のための光活用ガイド

冬季うつ予防と健康維持のための光活用ガイド

秋冬になると日照時間が短くなり、セロトニン活性の低下ビタミンD不足冬季うつ(季節性情動障害)のリスクが高まります。ここでは、セロトニン・ビタミンD・体内時計の基礎知識と、冬季におすすめの光活用法をわかりやすく解説します。

1. セロトニン・体内時計・サーカディアンリズムの基本

セロトニンとは?

セロトニンは脳内で作られる神経伝達物質で、気分や感情の安定、集中力、睡眠リズムに関与します。朝の光を浴びることで分泌が促進され、冬季うつ予防にも役立ちます。

体内時計とサーカディアンリズム

体内時計は脳の視交叉上核(SCN)に存在し、24時間周期のサーカディアンリズムを調整します。これにより体温・ホルモン・自律神経・睡眠覚醒が制御され、光が主な同期因子(Zeitgeber)です。

自律神経との関係

朝の光は交感神経活動を高め、覚醒と活動を促します。夜は光を避けることで副交感神経が優位になり、睡眠・回復を助けます。適切な光習慣は、自律神経バランスを整え、心身の健康維持に欠かせません。

2. ビタミンDの役割と生成

ビタミンDは骨や免疫の健康維持に必須で、皮膚でUV-Bを浴びることで生成されます。室内光や窓越しではUV-Bがほぼカットされるため、屋外曝露が必要です。

環境 UV-B透過率 ビタミンD生成への影響
屋外直射光 100% ◎ 最大効率で生成可能
普通の窓ガラス越し 1〜5% ✖ ほぼ生成不可
UVカットガラス 0〜1% ✖ 完全に無効

3. 冬季うつ(SAD)予防におすすめの光活用法

光療法ライトの使用

  • 照度:10,000 luxが理想、距離に応じて5,000〜2,500 luxでも可
  • 距離:顔から約25〜50cmが目安
  • 時間:10,000 luxなら20〜30分、5,000 luxなら45〜60分
  • 目の位置:光を視界に入れること(直接凝視不要)
  • 選ぶポイント:UVカット・角度調整可能・設置しやすい形状

屋外での朝日光浴

  • 午前6:30〜9:00に20〜30分、顔に光が届くように
  • 曇天でも屋外なら2,000〜5,000 luxの光が得られる
  • 軽い運動と組み合わせると血流改善や気分向上効果が高まる

冬季の光活用ルーティン例

より具体的なスケジュール例は、以下のリンクで紹介しています:

冬季の光活用スケジュール例(東京)を見る

4. 東京における季節別自然太陽光の目安

季節 照度(lux) 備考
春(3〜5月) 10,000〜50,000 lux UV-B量は増加中で顔や手の露出でビタミンD生成可能
夏(6〜8月) 30,000〜100,000 lux UV-B量が最も多く、短時間でビタミンD生成可能
秋(9〜11月) 10,000〜50,000 lux 午前中の光浴でセロトニン活性化・ビタミンD生成が期待できる
冬(12〜2月) 5,000〜20,000 lux 太陽高度が低くUV-B量が少ないため、20〜30分の屋外曝露が目安

5. 光活用の効果まとめ

  • 朝の光習慣でセロトニン活性化・体内時計リセット
  • 屋外での光曝露でビタミンD生成と免疫サポート
  • 自律神経バランスを整え、夜の眠りも改善
  • 光療法ライトと朝日光浴を組み合わせると冬季うつ予防に最適

適切な光習慣は、気分の安定睡眠の質向上免疫や骨の健康維持に直結します。冬季の生活に取り入れて、心身ともに快適に過ごしましょう。

ABOUT ME
siratama
SIRATAMA(しらたま)です 医療従事者の理学療法士をしています。医療福祉の現場経験が沢山ありますので事業所による働き方や転職についての発信をしています。趣味のピラティスでは資格取得、メタバース分野でも体を動かす健康についても活動中です。多趣味で雑記の記事も投稿中