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VRでもリアルでも心をつなぐ!ハグ・撫でる・添い寝の心理効果比較

VRでもリアルでも心をつなぐ!ハグ・撫でる・添い寝の心理効果比較

現代では、VRChatなどのソーシャルVRで「ハグ」「撫でる」「一緒に寝る」といった行為が人気です。しかし、実際にこのような仮想体験は、心理的にどの程度リアルの接触に近いのでしょうか?この記事では、現実世界とVR空間での身体的接触の心理・生理効果を比較し、科学的研究に基づいて整理しました。

ハグ・撫でる・添い寝の心理的効果とは?

人間は触れ合うことで幸福感安心感を得ます。主な効果は以下の通りです。

  • 幸福感の向上: ハグや撫でることで「オキシトシン」「ドーパミン」「セロトニン」が分泌され、心身がリラックス。
  • ストレスホルモンの減少: 20秒以上のハグでコルチゾールが減少する研究もあります。
  • 安心感・信頼感の向上: 人との距離感や関係性が深まり、心理的なつながりを強化。

こうした効果は、VR空間でもある程度再現されることが研究で示されています。

現実とVRでのハグ・撫でる・添い寝の比較

下表は、現実世界とVR空間での行為の心理的・生理的効果をまとめたものです。

項目 現実世界 VR空間
身体接触 実際に触れる(皮膚・温度・圧力) 視覚・触覚デバイスによる疑似体験
心理的効果 高い 安心感・親密感・孤独感軽減 中〜高 視覚や触覚補助で「つながり感」を実感
生理的効果 コルチゾール減少、オキシトシン上昇など実証済み 未確認 心理的安心感は得られる
身体所有感 自分の体として自然 アバターや触覚デバイスで向上するが限定的
社会的・文化的制約 接触の合意や文化的許容度が影響 合意さえあれば制約は少なく、安全に体験可能
孤独感緩和 非常に効果的 一定効果あり、特に遠距離や孤独時に有効

VRでのハグ・撫でる行為の心理メカニズム

VR空間でハグや撫でる行為が受け入れられる理由は、心理学的に説明できます。

  1. 身体所有感(Embodiment): アバターを自分の体と感じることで、触れられている感覚が増加。VR感覚・ファントムセンスとも呼ばれる。詳しくは こちらの記事 をご参照ください。
  2. 共存在感(Co-presence): 相手が近くにいる感覚が親密感を生む。
  3. 触覚フィードバック: 振動・力覚デバイスによりリアルに近い触れ合いを体験可能。

研究では、視覚だけよりも触覚補助ありの方が、心理的反応が強くなることが示されています。

注意点と限界

  • VRでのハグは心理的効果はあるものの、生理的ホルモン変化は未確認。
  • 触覚デバイスなしでは感覚が限定的で、あくまで「疑似体験」にとどまる。
  • 合意や関係性が重要で、不快感や境界侵害のリスクもある。

まとめ:VRでも心理的つながりは実現可能

結論として、VR空間でのハグや撫でる行為は、リアル接触ほど強くはないものの

  • 心理的な安心感・つながりを十分に提供できる
  • 孤独感の緩和や親密さの演出に有効
  • 触覚デバイスや関係性が整うと、よりリアルに近づく

遠距離や社会的孤立の状況でも、VRは安全で手軽な「仮想ハグ体験」の場として注目されています。

今後は触覚デバイスの進化やVR技術の向上により、リアルに近い心理的・生理的効果も期待できるでしょう。

ABOUT ME
siratama
SIRATAMA(しらたま)です 医療従事者の理学療法士をしています。医療福祉の現場経験が沢山ありますので事業所による働き方や転職についての発信をしています。趣味のピラティスでは資格取得、メタバース分野でも体を動かす健康についても活動中です。多趣味で雑記の記事も投稿中