ココロノート処方箋

コミュニケーションの理想と現実:ギブアンドテイク

コミュニケーションの理想と現実:ギブアンドテイク

人間関係における理想は、「自然と助け合える関係性」かもしれません。しかし現実はそう簡単ではなく、多くの場面で「ギブアンドテイク」が求められます。

ギブアンドテイクはドライ?と思っていた

かつて私は、「ギブアンドテイク」という考え方にドライさを感じていました。
本来、助け合いはもっと自然なものだと信じたかったのです。

しかし、その「自然な助け合い」こそ、実はかなり高度なコミュニケーションスキルが必要だということに気づきました。

なぜ自然な助け合いが難しいのか

  • 相手の状態や気持ちを察する共感力が必要
  • 信頼関係の土台がないと成立しづらい
  • 自己主張と配慮のバランスが求められる

このように考えると、まずは「ギブアンドテイク」から始めるのが現実的だと感じるようになりました。

自己肯定感の低さが「ギブ」を阻む

自己肯定感が低いと、「自分には与えられるものがない」と思い込み、誰かに何かを頼むことすら難しくなります。

これは決して珍しいことではありません。むしろ、「お願いすること=迷惑をかけること」と感じてしまう人は多いのです。

その結果どうなるか

  1. 頼れずに一人で抱え込む
  2. 孤立感が増し、さらに自己評価が下がる
  3. 負のループに陥る

だからこそ、「まずはできることを提供する」という姿勢が大切になってきます。

徳を積む:自分にできることをする

自分に大きなスキルがなくても、「雑務」「小さな気配り」「一言の声かけ」など、
誰かの助けになることはたくさんあります。

例えばこんなことから始めよう

  • 落ちているゴミを拾う
  • 困っている人に声をかける
  • ちょっとした作業を代わってあげる

これらはすべて「お願いゲージを貯める行動」になります。ギブの実績を少しずつ積むことで、自信も育ち、自然とテイクもできるようになります。

「帰属意識」で自己肯定感を補っていた話

自分に自信がなかった私は、「ロイヤリティ(忠誠心)」を高めることで、関係性を保とうとしていました。

「自分はこの場に必要な人間なんだ」と思いたくて、必要以上に貢献しようとしたのです。これは一つの手段ではありますが、度を超えると自分がしんどくなるのも事実。

無理しすぎないために

  • 「ギブしたら、1つはお願いしてみる」習慣を作る
  • 「頼ることも信頼の表現」と理解する
  • 相手の反応ではなく、自分の行動を評価軸にする

まとめ:まずは誰かのために動いてみよう

コミュニケーションは、最初から理想形を目指さなくていいんです。
まずは「ギブアンドテイク」でバランスをとりながら、少しずつ自分の心と行動を整えていくことが大切です。

最初の一歩は、「誰かのためにゴミを拾う」ことでも良い。
恩を売るとか、見返りを求めるのではなく、「自分は人の役に立てる存在だ」と確認するためにやるのです。

そして、その小さな行動の積み重ねが、いずれ“自然な助け合い”を生み出す土壌になるはずです。


ABOUT ME
siratama
SIRATAMA(しらたま)です 医療従事者の理学療法士をしています。医療福祉の現場経験が沢山ありますので事業所による働き方や転職についての発信をしています。趣味のピラティスでは資格取得、メタバース分野でも体を動かす健康についても活動中です。多趣味で雑記の記事も投稿中