ココロノート処方箋

「なぜ?」から「何のために?」へ──問いかけを変えるだけで、人は前向きになれる

「なぜ?」から「何のために?」へ──問いかけを変えるだけで、人は前向きになれる

なんでできなかったの?」「なんでそんなことしたの?
気づけば私たちは、無意識に誰かを「なぜ?」で問い詰めてしまいがちです。

しかし、「なぜ?」という言葉は、相手を責めたり、否定しているように聞こえることがあります。
そこでおすすめなのが、「なぜ?」を「何のために?」に言い換えること。


なぜ「なぜ?」を使うと人が黙ってしまうのか

「なぜ?」は、本来は単なる疑問のはず。でも、相手にとっては「責められている」と感じるトリガーになってしまうことがあるのです。

表現 相手の受け取り方
なんでやらなかったの? 責められてる・否定されてると感じる
何を大事にしたかった? 考えを受け止めてもらっていると感じる

この違いは、「フレーミング効果」によるもの。
同じ内容でも、どう問いかけるかで相手の反応は大きく変わります。


「なぜ?」をやさしく言い換える具体例

以下は、日常的に使われがちな「なぜ?」の言い回しと、それを相手を尊重する形に言い換えた例です。

❌ よくある「なぜ?」 ✅ 言い換え(やさしい聞き方)
なんでできなかったの? どんなことがあってうまくいかなかったの?
なんで怒ってるの? 何が気になった?どんなことが嫌だった?
なんでミスしたの? どこが難しかった?何を意識してた?
なんで泣いてるの? どんな気持ちだった?何かあった?
なんでやらなかったの? 他に大事なことがあった?

言い換えを自然にするための5つのコツ

  1. よく使うフレーズをストック
    → 自分がよく使う「なぜ?」をリスト化して、別の言い回しを準備しておく。
  2. ワンテンポおく
    → 話す前に「これって責めてるように聞こえない?」と一瞬立ち止まる。
  3. 自分への問いで練習する
    → 自分の失敗にも「なんで?」じゃなく、「どうしたかったんだっけ?」と聞いてみる。
  4. ふり返りで書き換えてみる
    → 日記やメモで「なぜ?」を「どんな意図だった?」に変えてみる。
  5. 感情が動いたときに試してみる
    → イライラや焦りを感じたときこそ、言葉の力を意識するタイミング。

やさしい問いかけは、人間関係も変える

誰かの行動に驚いたとき、あなたはどう聞きますか?

「なんでそんなことしたの?」と聞くと、防御反応が返ってくるかもしれません。

一方、「どうしてそうしようと思ったの?」と聞けば、考えや気持ちを自然に話してくれるかもしれません。

言い換えとは、優しさの表現。
それは、相手の尊厳を守り、自分自身ともよりよい関係を築く手段なのです。


まとめ:今日からできる、やさしい問いかけ

  • 「なぜ?」ではなく「どんな気持ちだった?」と聞く
  • 相手の意図や価値観を探る言葉に言い換える
  • 「教えてくれる?」と添えて、安心感を持たせる

完璧にできなくても構いません。
1日1回、問い方を少しだけ変える
その小さな積み重ねが、会話を、関係を、自分自身を少しずつ変えていきます。


ABOUT ME
siratama
SIRATAMA(しらたま)です 医療従事者の理学療法士をしています。医療福祉の現場経験が沢山ありますので事業所による働き方や転職についての発信をしています。趣味のピラティスでは資格取得、メタバース分野でも体を動かす健康についても活動中です。多趣味で雑記の記事も投稿中