新人理学療法士が経験から学んだ「患者自身が変わる力」の重要性
理学療法士としてのキャリアをスタートした頃、私は「患者さんを自分が治せる」と強く信じていました。しかし現場での経験を積むうちに、一時的に身体が楽になる施術はできても、根本的な改善は患者自身の主体的な努力なしには難しいという現実に気づかされました。
新人時代の「知識中心」のアプローチ
新人のころは、知識の豊富さを武器に患者さんに向き合っていました。施術やリハビリプログラムの知識を引き出し、多くの手技を提供することで改善を目指していたのです。しかし、
- マッサージやストレッチで一時的な効果は出るが、長期的に筋力や機能を強化することは難しい
- 患者さんの行動や意識の変化が伴わなければ、根本的な改善には至らない
という事実に直面し、「施術者である自分が何とかするのではなく、患者さん自身が変わらなければ意味がない」と考え方を改めました。
「患者の意識・行動」へのアプローチの必要性
経験を積む中で、理学療法士としての介入は身体機能の改善だけでなく、患者の意識や行動にも働きかけることが基盤であると気づきました。具体的には、
- 患者さんが自分の身体に向き合い、リハビリを続けるモチベーションを持てるようにサポートする
- なぜその運動やケアが必要なのか、納得感を生み出す説明や声かけを行う
- 患者さんの主体的な努力を引き出し、「自分で変わろうとする力」を支援する
こうした支援を通して初めて、真の改善・回復が実現するのだと実感しています。
理学療法士の役割の本質とは
結局のところ、「治してあげる人」ではなく「患者さんの変わる力を引き出す支援者」であるべきだと私は考えています。
ポイント:
- 患者自身が変わる意欲を持つことが回復の鍵
- 理学療法士は身体だけでなく患者の心にも寄り添う必要がある
- 継続的なサポートと動機づけが重要
まとめ
新人の頃は知識中心で介入していた私ですが、経験を通して患者の意識・行動へのアプローチをベースに知識を乗せていく介入が大切だと気づきました。患者さんが自分自身の力で変わろうとする意思を持ち、それを支援することが真の回復につながるのです。
最後に自分を変えるのは、他ならぬ「自分自身」。理学療法士として、これからも患者さんの主体的な変化を応援し続けたいと思います。










